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【星の王子さま】キツネから学ぶ出会いの意味
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「出会わなければよかった出会い」を感じたことがありますか?
思い出すと悲しくなる。思い出すと寂しくなる。
そんな、人との出会い。
その出会いに意味はあったのかどうか。
ちょっと思い悩むこともあると思います。
そこで、今日6月30日が星の王子さまの作者であるサン・テグジュペリの誕生日ということで、
人と人のきずなってどういうものか、書籍【星の王子さま】からご紹介します。

【なつける】こと
星の王子さまで印象的なのは、王子さまとキツネの一節。
そこでは二人の繋がりが作られますが、ちょっと変わった絆のつくりかたなんです。
「きみ、だれ?」と王子さまはいった。「とってもかわいいね・・・」
「おいら、キツネ。」とキツネはこたえた。
「こっちにきて、いっしょにあそぼうよ。」と王子さまがさそった。「ぼく、ひどくせつないんだ・・・」
「いっしょにはあそべない。」とキツネはいった。「おいら、きみになつけられてないもん。」
「あ!ごめん。」と王子さまはいった。
でも、じっくりかんがえてみて、こうつけくわえた。
「【なつける】って、どういうこと?」
~
「もうだれも忘れちゃったけど、」とキツネはいう。
「【きずなをつくる】ってことだよ・・・」
「きずなをつくる?」
「そうなんだ」キツネはいう。
「おいらにしてみりゃ、きみはほかのおとこの子10万人と、なんのかわりもない。
きみがいなきゃダメだってこともない。
きみだって、おいらがいなきゃダメだってことも、たぶんない。
きみにしてみりゃ、おいらはほかのキツネ10万匹と、なんのかわりもないから。
でも、きみがおいらをなつけたら、おいらたちはお互い、あいてにいてほしい、って思うようになる。
きみは、おいらにとって、世界でひとりだけになる。
おいらも、きみにとって、世界で1匹だけになる・・・」
「わかってきた。」と王子さまはいった。
人との繋がりはこうやってできていくんですね。
10万分の1が、1分の1になる。
これが、きずなをつくる。人とつながるってことなんです。
きずなをつくる意味
「おいらの每日、いつも同じことのくりかえし。
おいらはニワトリを追いかけ、人はおいらを追いかける。
ニワトリはどれもみんなおんなじだし、人だってだれもみんなおんなじ。
だから、おいら、ちょっとうんざりしてる。
でも、きみがおいらをなつけるんなら、おいらの每日は光があふれたみたいになる。
おいらは、ある足音を、ほかのどんなやつとも聞き分けられるようにある。
ほかの音なら、おいら穴ぐらの中に隠れるけど、きみの音だったら、はやされたみたいに、穴ぐらからとんででていく。
それから、ほら!あの向こうの小麦畑、見える?
おいらはパンを食べないから、小麦ってどうでもいいものなんだ。
小麦畑を見ても、なんにも感じない。それって、なんかせつない。
でも、きみのかみの毛ってこがね色。だから、小麦畑は、すっごくいいものに変わるんだ。
きみがおいらをなつけたら、だけど!
小麦はこがね色だから、おいらはきみのことを思いだすよ。
そうやって、おいらは小麦にかこまれて、風の音をよく聞くようになる・・・」
キツネはだんまりして、王子さまをじっと見つめていった。
「おねがい・・・おいらをなつけておくれ!」
きずなをつくると、日々に色がでる。光が照らされる。
その日から一転、每日がおなじじゃあなくなるんだ。
それはそれは素晴らしいことだよ。
別れ。つながりの意味は?
(※ここで出てくるバラは、王子さまが自分の星においてきた大切なともだちのこと)
こんなふうにして、王子さまはキツネをなつけた。
そして、そろそろいかなきゃならなくなった。
「はあ。」とキツネはいった。「・・・なみだがでちゃう。」
「きみのせいだよ。」と王子さまはいった。「ぼくは、つらいのはぜったいいやなんだ。でも、きみは、ぼくになつけてほしかったんでしょ・・・」
「そうだよ。」とキツネはいった。
「でも、いまにもなきそうじゃないか!」と王子さまはいった。
「そうだよ。」とキツネはいった。
「じゃあ、きみにはなんのいいこともないじゃない!」
「いいことはあったよ。」とキツネはいった。「小麦の色のおかげで。」
~
「さようなら。」と、王子さまがいうと・・・
「さようなら。」とキツネがいった。
「おいらのひみつだけど、すっごくかんたんなことなんだ。
心でなくちゃ、よくみえない。もののなかみは、目では見えないってこと。」
「もののなかみは、目では見えない。」と、王子さまはもう一度くりかえした。忘れないように。
「バラのためになくしたじかんが、きみのバラをそんなにも大事なものにしたんだ。」
「バラのためになくしたじかん・・・」と王子さまはいった。忘れないように。
「ひとは、ほんとのことを、忘れてしまった。」とキツネはいった。
「でも、きみは忘れちゃいけない。きみは、自分のなつけたものに、いつでもなにかを返さなくちゃいけない。
きみは、きみのバラに、なにかを返すんだ・・・」
「ぼくは、ぼくのバラになにかを返す・・・」と王子さまはもう一度くりかえした。忘れないように。
人と人とは繋がりあっています。
そこに意味はなく、なにか目的をもつわけではありません。
なにかのために費やした時間だけ、そのなにかは大切なものになります。
人とのつながりに意味があるわけではない。
繋がりあって、それが強くなった。それが、たいせつなんです。
引用が多くなってしまい恐縮ですが。
わたしはこの本を、ふと思い出したように読むことがあります。
それは、純粋な感情であったり素直な気持ちであったり。
そういう大人になるにつれて忘れがちな、でもとても大切な気持ちを思いだすために。
この本、実は児童書じゃあないんです。
大きくなった、おとなたちに向けられた、とてもいい本ですよ。
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