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うまい提案は世渡りのコツ
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提案とは、他人に意思判断を求める行為である。
では、その提案を自分の希望通りに説得するに必要な事は?それが、ロジカルプレゼンテーションである。ロジカルと言う道具を使い、プレゼンテーションする事である。
そして、じつは提案は、日常生活に溢れているものだった。

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日常にひそんでいる提案の場
「明日の待合せ、7時でいいかな?」
「バイト代わってもらいたいんだけど・・・」
「新しい商品を開発した方が良いと思うのですが、いかがでしょう。」
挙げだしたらキリがないのでこの辺りで。
これに類似する事柄は、あなたの周りにも起こり続けている事だ。
そして、当然この次には「何故?」が発生する。
これが親しい友人なら、あまり説明や理由は必要ないかもしれない。そこに論理性がなくても、納得してくれ、意思判断をしてくれる事だろう。
しかし、これは例外的だと考えて欲しい。
提案をする相手は親しい友人ではないケース、むしろ説得が困難な気難しい相手である事の方が圧倒的に多いのだから。だから、論理的思考が必要なのだ。
価値観、育った環境、常識、正しさ、大切な事柄。これらが自分と同じ人間など、存在しない。
だからこそ、必要となるのだ。どんな人を相手にしても思いを伝える力、論理的思考、適切なプレゼンテーション能力が。
本書の概要
本書では、「どうしたら、誰を相手にしても提案を通す事が出来るか?」をわかりやすく解説している。
骨組みはこの4項目で、ストーリー仕立てで順番に解説・指南してくれる。
(1)論理的思考
(2)仮説検証力
(3)会議設計力
(4)資料作成力
(1)と(2)は「考える力」で、(3)と(4)は「伝える力」である。
「伝える力」に関しては、さして新しさは感じなかった。
プレゼン指南をしている書籍は、世の中いっぱいかるからね。
例えば「マッキンゼー流プレゼンテーションの技術」など。むしろこちらの方がボリューム・内容的にも勉強になるんじゃないかな。
この本での読み応えは、「考える力」の部分。
つまり、「論理的思考」と「仮説検証力」の2点にある。
「提案力」はなぜ必要か?
提案力は、別になくても生活に困らないかもしれない。
多くの人にとっては、いまの自分の生活に対して不自由だとか不十分を感じないかもしれない。その理由は、ひとえに、知らないからだと思う。
それを知らなくても死にはしないし、生産力を上げなければならないとも感じないだろう。
ただ、私はそれを残念に思う。また、知らない事は罪だと思う。
何故なら、知らない事で損をする事柄は山ほどあるのだ。
例えば、医療関係でかかる費用がそうだ。ある条件下では支払いが免除されるのに、知らない・自己申請をしないが故に余計な負担を背負っている人が山ほどいる。
(例えば、高額医療費制度。みなさん知っていますか?)
論理的思考も、それに似ている。
なくても取り急ぎ困ったりはしないだろうが、身につけなければ損をする。
身についていなければ、相手に自分の気持ちや要求が伝わらず、交渉も上手くいかない。それによって自分の人生の舵取りを他人に委ねなければならないケースもあるだろう。
それはやはり損だ。
人生を豊かに過ごしたい。これは万人が望む所だろう。
この本は、そんな人の願いを少しばかり手助けしてくれるかもしれない。
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関連エントリー:
■「考える」を分析する
■交渉力を身につける簡単な図式。3つの点と3つの矢印。
■遠山正道に学ぶ、惹きつけるプレゼン。
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【星の王子さま】キツネから学ぶ出会いの意味
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「出会わなければよかった出会い」を感じたことがありますか?
思い出すと悲しくなる。思い出すと寂しくなる。
そんな、人との出会い。
その出会いに意味はあったのかどうか。
ちょっと思い悩むこともあると思います。
そこで、今日6月30日が星の王子さまの作者であるサン・テグジュペリの誕生日ということで、
人と人のきずなってどういうものか、書籍【星の王子さま】からご紹介します。

【なつける】こと
星の王子さまで印象的なのは、王子さまとキツネの一節。
そこでは二人の繋がりが作られますが、ちょっと変わった絆のつくりかたなんです。
「きみ、だれ?」と王子さまはいった。「とってもかわいいね・・・」
「おいら、キツネ。」とキツネはこたえた。
「こっちにきて、いっしょにあそぼうよ。」と王子さまがさそった。「ぼく、ひどくせつないんだ・・・」
「いっしょにはあそべない。」とキツネはいった。「おいら、きみになつけられてないもん。」
「あ!ごめん。」と王子さまはいった。
でも、じっくりかんがえてみて、こうつけくわえた。
「【なつける】って、どういうこと?」
~
「もうだれも忘れちゃったけど、」とキツネはいう。
「【きずなをつくる】ってことだよ・・・」
「きずなをつくる?」
「そうなんだ」キツネはいう。
「おいらにしてみりゃ、きみはほかのおとこの子10万人と、なんのかわりもない。
きみがいなきゃダメだってこともない。
きみだって、おいらがいなきゃダメだってことも、たぶんない。
きみにしてみりゃ、おいらはほかのキツネ10万匹と、なんのかわりもないから。
でも、きみがおいらをなつけたら、おいらたちはお互い、あいてにいてほしい、って思うようになる。
きみは、おいらにとって、世界でひとりだけになる。
おいらも、きみにとって、世界で1匹だけになる・・・」
「わかってきた。」と王子さまはいった。
人との繋がりはこうやってできていくんですね。
10万分の1が、1分の1になる。
これが、きずなをつくる。人とつながるってことなんです。
きずなをつくる意味
「おいらの每日、いつも同じことのくりかえし。
おいらはニワトリを追いかけ、人はおいらを追いかける。
ニワトリはどれもみんなおんなじだし、人だってだれもみんなおんなじ。
だから、おいら、ちょっとうんざりしてる。
でも、きみがおいらをなつけるんなら、おいらの每日は光があふれたみたいになる。
おいらは、ある足音を、ほかのどんなやつとも聞き分けられるようにある。
ほかの音なら、おいら穴ぐらの中に隠れるけど、きみの音だったら、はやされたみたいに、穴ぐらからとんででていく。
それから、ほら!あの向こうの小麦畑、見える?
おいらはパンを食べないから、小麦ってどうでもいいものなんだ。
小麦畑を見ても、なんにも感じない。それって、なんかせつない。
でも、きみのかみの毛ってこがね色。だから、小麦畑は、すっごくいいものに変わるんだ。
きみがおいらをなつけたら、だけど!
小麦はこがね色だから、おいらはきみのことを思いだすよ。
そうやって、おいらは小麦にかこまれて、風の音をよく聞くようになる・・・」
キツネはだんまりして、王子さまをじっと見つめていった。
「おねがい・・・おいらをなつけておくれ!」
きずなをつくると、日々に色がでる。光が照らされる。
その日から一転、每日がおなじじゃあなくなるんだ。
それはそれは素晴らしいことだよ。
別れ。つながりの意味は?
(※ここで出てくるバラは、王子さまが自分の星においてきた大切なともだちのこと)
こんなふうにして、王子さまはキツネをなつけた。
そして、そろそろいかなきゃならなくなった。
「はあ。」とキツネはいった。「・・・なみだがでちゃう。」
「きみのせいだよ。」と王子さまはいった。「ぼくは、つらいのはぜったいいやなんだ。でも、きみは、ぼくになつけてほしかったんでしょ・・・」
「そうだよ。」とキツネはいった。
「でも、いまにもなきそうじゃないか!」と王子さまはいった。
「そうだよ。」とキツネはいった。
「じゃあ、きみにはなんのいいこともないじゃない!」
「いいことはあったよ。」とキツネはいった。「小麦の色のおかげで。」
~
「さようなら。」と、王子さまがいうと・・・
「さようなら。」とキツネがいった。
「おいらのひみつだけど、すっごくかんたんなことなんだ。
心でなくちゃ、よくみえない。もののなかみは、目では見えないってこと。」
「もののなかみは、目では見えない。」と、王子さまはもう一度くりかえした。忘れないように。
「バラのためになくしたじかんが、きみのバラをそんなにも大事なものにしたんだ。」
「バラのためになくしたじかん・・・」と王子さまはいった。忘れないように。
「ひとは、ほんとのことを、忘れてしまった。」とキツネはいった。
「でも、きみは忘れちゃいけない。きみは、自分のなつけたものに、いつでもなにかを返さなくちゃいけない。
きみは、きみのバラに、なにかを返すんだ・・・」
「ぼくは、ぼくのバラになにかを返す・・・」と王子さまはもう一度くりかえした。忘れないように。
人と人とは繋がりあっています。
そこに意味はなく、なにか目的をもつわけではありません。
なにかのために費やした時間だけ、そのなにかは大切なものになります。
人とのつながりに意味があるわけではない。
繋がりあって、それが強くなった。それが、たいせつなんです。
引用が多くなってしまい恐縮ですが。
わたしはこの本を、ふと思い出したように読むことがあります。
それは、純粋な感情であったり素直な気持ちであったり。
そういう大人になるにつれて忘れがちな、でもとても大切な気持ちを思いだすために。
この本、実は児童書じゃあないんです。
大きくなった、おとなたちに向けられた、とてもいい本ですよ。
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